本日、自らが会員となっている「文化財を未来につなぐ森づくりのための有識者会議」のシンポジウムに参加した。今年のテーマは「規格に駆逐される人間のわざ:木を生かす伝統構法を見直すために」だった。
現在の建築基準法に至る迄の流れの中でも特に、1950年に建築基準法と文化財保護法がたまたま同時にスタートした際、新築の伝統構法についての法律が抜け落ちていた事実。このボタンのかけ違いが現在の伝統構法のおかれた惨状。。。という内田祥哉先生の話もさることながら、平成16年の台風で大きな被害を受けた厳島神社の修理を行った棟梁、鳥羽瀬公二さんの話しも刺激的だった。木造伝統構法の修理を通じて、1000年以上の技術と経験が生かされた建物の実態を紹介され、これだけ長い技術の蓄積や財産が、規格や建築基準法の一律な摘要により、現代の木造建築に生かされていないのはおかしいと改めて感じた。
机上の論理ではなく、1000年の知恵を実物で経験している人の話しには説得力がある。
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