昨日は午後から関西の現場の施主検査だった為、少し早めの新幹線で京都に行き、東福寺に寄ってみました。東福寺は臥雲橋から通天橋方面を見る洗玉潤(せんぎょくかん)渓谷の紅葉や新緑で有名なので、一度、この時期に訪れたい場所でした。少し終盤ではありましたが、素晴らしい紅葉を堪能できました。
東大寺と興福寺から「東」と「福」の二字を取り、九条家の菩提寺として造営され1236年に伽藍が完成した京都五山の禅宗寺院で、聖一国師の開山だそうです。渓谷の紅葉の赤色に混じって黄金色に見えるのは、国師が宋から持来した唐楓「通天紅葉」のようです。
合わせて今回は、重森三玲の代表作の方丈庭園も見て来ました。北庭は、イサム・ノグチが「モンドリアン風の新しい角度の庭」と評したとパンフレットに書かれていましたが、禅の芸術がモダンアートの感覚に通じることを、この庭を通じて肌で感じることができました。三玲のこの後の作品では結局、この庭を超えることができなかったと晩年、本人が言っていたようですが、洗玉潤渓谷などの周辺の情景に恵まれる中でのデザインの機会は、何度も訪れるものではないのでしょう。周辺環境が空間に与える相乗効果はいつの時代にも通じるのだろうと思います。
画像をクリックすると大きく見ることができます。暫し、東福寺の紅葉と三玲の作庭を堪能してみてください。
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