先週の土曜日(7月3日)は京都、立命館大学で開催された「第4回歴史都市防災シンポジウム」で論文「近代寺院本堂の防災 関東地方・近畿地方の実態と意識」の発表を行なった。5年目となる東京都市大学での共同研究「近代寺院本堂の変遷」も今年は大学院生2名、学部生2名の計4名体制となり、様々な研究に挑戦ができるようになった。防災の論文もこれまでの研究の一部分ではあるが、京都の大学の研究者の前で発表できたことは貴重な経験となった。
当日は生憎の雨だったが、シンポジウムの帰り際にどうしても寄っておきたい場所があった。太秦にある広隆寺だ。広隆寺と言えば、日本で国宝第一号となった「弥勒菩薩」で有名だが、堂宮大工など、昔から職人との関係も深いらしく、元旦には堂宮大工の年頭儀式を古式ゆかしく再現したチョウナ始めが行なわれているらしい。
本堂には様々な額が飾られているが、私の曾祖父の三代目嘉平(祖父、四代目佐々木嘉平はこの時18歳で修行中)が東本願寺の山門の造営に堂宮大工の棟梁として従事し、その際、使用した日本一の大鉋を広隆寺に奉納したと聞いている。この大鉋がそれ以来、本堂の軒下に飾られている。
今回はご縁があって訪ねることができたが、私にとって龍安寺や太秦方面へ来たらどうしても拝んでおきたい場所がこの広隆寺だ。