長さ2.3メートル、巾1.0〜0.9メートルのテーブルの確認のために、クライアントとあきる野市の沖倉製材所に行って来た。自然のかたちを残した耳付きのトチの木はなかなか存在感がある。これに、クライアントの友人で津軽塗りの伝統を継承されている牧野さんという女性が漆を塗る。現場には8月下旬に納入するとのことで今から楽しみだ。
せっかく、あきる野まで来たこともあり、沖倉さんの製材所を拝見した。東京の木「多摩産材」で家づくりをする、地産地消を推進される取り組みをされている。花粉の問題もあり、伐採には助成金も出るらしい。実は現在日本で消費している分の木材は国内で成長する木材で十分賄える量があるというのが日本の林業の実態だと「森林の崩壊:国土をめぐる負の連鎖」(白井裕子著、新潮新書2008年)で読んだ。白井さんとは昨年、建築学会の大会にて同じセッションでお会いし、日本の林業や宮大工の今後について問題意識を共有していただけに、本日沖倉さんから現場の声を聞けたことは収穫だった。日本の林業再生のために、クライアントの方々にも「東京の木」をお薦めしていきたいと思う。
たまたま、帰路の車内でJ-WAVEを聞いていたら、東京の木で家づくり。。。という話題になり、聞いていたらなんとつい30分前まで一緒にいた沖倉さんが登場し「東京の木=多摩産材」での家づくりが環境に貢献する。。。との説明をされていた。午前中には HP制作を御願いしている知り合いの三井社長から、三重県伊勢市二見の製材所の四代目で天然乾燥にこだわった材を作られている松下製材の山口さんをご紹介いただいた。今日は偶然にも日本の林業を強く意識する一日で、何か強いご縁を感じた。
写真は樹齢4〜50年の皮を剥いだばかりの杉の芯持材
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