にじり口を思わせる潜り戸を抜けると、そこには東山を借景にした庭園が広がる。作庭家はなんと山県有朋。敷地内の洋館では伊藤博文、桂太郎、小村寿太郎らによって日露開戦直前の「無鄰庵会議」が開かれたとか。これからの国家像をイメージして造園したかは計り知れぬが、美しく奥行のある山河の庭園は壮大さだけでなく、自然のもつ繊細さが感じられた。建築家であり、ランドスケープアーキテクトでもあったアメリカ合衆国第三代大統領、トーマスジェファーソンもスケールの大きい政治家として知られているが、この庭園もなかなかなものだと思った。
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