週末に子供の幼稚園で毎年恒例の夏祭り「夕涼み会」が行なわれた。昨年はボランティア不足で実施できなかった焼きそばづくりに初めて参加した。お父さんとお母さん達(それぞれ12人程度)で汗拭きタオルを片手に800食分を作った。やきそばと言えば、屋台でおじさんが汗だくになって焼いている姿が印象にあったが、実は焼くまでの下拵えが案外、重要だということを知った。
考えてみれば昔の大工さんの仕事でも材木の接合部、すなわち継ぎ手や仕口の加工の良し悪しが建物の耐久性を左右した。さらに、木材でも原木を切り倒し、筏を組んで川で運び、木場の貯木場で保管されている間の長い課程があったので、材木の割れが少なかったものが、現在は交通や流通が発達して、木材の移動時間を短くした結果、伐り倒してから現場で利用されるまでの課程が短縮され、結果的に材木の割れが多くなったと聞く。
下拵えが重要だというのは、伝統の技であれ、シロートのつくる焼きそばであれ同じなのかもしれない。ただ、材木ができるまでには50年、100年と長い歳月がかかっていること、そして本来は50年、100年と利用され続けることが望ましいことを考えると、余計に「下拵え」には時間をかけるべきだとも考える。便利さを追求した結果、良い物や伝統が失われるのは何とも寂しい気持ちになるが、これは私だけではないと期待している。
それにしても、6時間立ち通しの夕涼み会は疲れた〜。